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バッテリーについて2

バッテリーについて2

 

バッテリーの突然死

近頃のカーバッテリーは原理こそ100年前と同じですが、幾度となく材料や構造の改良を経て高性能化し、容量もパワーも耐用年数も向上しています。しかし徐々に弱ってきて寿命を迎える一昔前のバッテリーとは異なり、限界ギリギリまで頑張ってくれるも、突然死に至る。という副作用があります。

燃費重視のコンパクトカーに搭載される小型エンジンなどはクランキング抵抗が減り(エンジン内部の軽量化や低摩擦化)、寒いときでも短時間のクランキングで始動できるよう細かいスタートアップ制御が施され、かつエンジンをかけるときに使うスターターモーターが小型/高回転・低トルク化され、多少弱っているバッテリーでも短時間であれば元気よくエンジンがかかるので、バッテリーが弱っていることに気が付きにくいのもバッテリー突然死を招く一因になっていると考えます。

そのため、昨日まで普通にエンジン始動ができたのに今朝急に始動できなくなってしまったとか、スーパーに行った帰りに急に始動できなくなってしまった、ということが起こりやすくなってきました。

こんな時のバッテリーの電圧を計ってみても正常範囲内(12.5V以上)のことがあり、予兆なしに起こるエンジン始動不能のためにバッテリーのせいではないかのような雰囲気になりがちです。

しかしバッテリーに強い負荷をかけるテストや内部抵抗値を計るテストをしてみると、エンジン始動に必要な瞬発力を出せない状態に陥っていて、このような状態のバッテリーはライトを点けたりラジオやホーンを鳴らす力はあってもエンジンを回転させる力は失っています。

ひと昔前は「ライトは点くからバッテリーじゃない」と問題の切り分けができましたが、最近は「ライトが点いたとしてもバッテリーかも?」と疑う必要があります。

バッテリーの突然死はハードサルフェーション、電極板の脱落、アシッドストラティフィケーションなど、バッテリー内部で起こる様々な劣化要因が絡んだバッテリーの故障ですが、話が長くなるのでここでは省略します。興味のある方は検索してみてください。

 

バッテリーの評価と性能

バッテリーの性能は容量(Ah)、瞬発力(CCA)、持久力で決まります。

容量 (Ah)

アンペアアワーという単位でバッテリーに貯めることができる「電気の量」を表します。

例えばコンパクトカーでは30~40Ah、ミニバンクラスでは40~50Ah、SUVやRV車では50Ah以上のものを使うのが一般的です。

1Ahは1A(アンペア=電流)を消費する電装品を1時間動かせる電気の量です。

あくまで参考ですが、一般的なスマートフォンをカーバッテリーを使って0%から100%まで充電するにはおおよそ0.7~1Ah、ルームランプひとつだと1時間でおおよそ2.5Ah、ヘッドライト2灯は1時間でおおよそ10Ah、それぞれ消費します。

容量はバッテリーの大きさと重さにほぼ比例します。大きい方が蓄電量の余裕がありますが、小さいエンジンの車に大きなバッテリーは無駄な重量増となる他、発電機への負担が増え、ひいては燃費悪化に繋がる場合があります。

エンジン停止状態で車を使うことが多いとか、配達業務などでエンジン再始動が頻繁だとか、寒冷地であるなど、特別な理由がない限りエンジンの大きさに見合った容量を選ぶことが一般的です。

瞬発力 (CCA)

コールドクランキングアンペアという指標で表します。

CCAとは、マイナス18℃で30秒間の放電時に7.2Vまで電圧が降下するときの定電流値を指標としたもの。

この値が大きいほどエンジンの始動に強い(大きなエンジンをスタートできる)バッテリーとなります。

例えばコンパクトカーでは300~450CCA、セダン/ステーションワゴン/ミニバンクラスでは400~500CCA、SUV/RVやディーゼルエンジン車では500CCA以上が要求されることが一般的です。

CCA値は同じサイズのバッテリーでもある程度幅があり、バッテリー内の電極の表面積や材質/構造によって変わります。CCAが高いほうがエンジンスタートには有利ですが、限られた容量でCCA能を上げすぎると耐久性が落ちるため、高CCAほど良いというわけでもなく、バッテリーサイズとのバランスも重要です。

持久力(Month)

残念ながらカーバッテリーの寿命を表す規格は存在しません。

単純に同じ条件下で使用した場合、価格が安いもの(開放型アンチモンタイプなど)ほど短命、高いもの(シールド型カルシウム合金 or AMGタイプなど)ほど長寿命の傾向があります。

その他、最近のアイドリングストップや積極的な発電制御による燃費向上を謳った車両の場合には、充電を受け入れる能力を向上させ(電気を貯めれるスピードを早くする)、同時にある程度まで深い放電への耐性を持った専用バッテリーも搭載されていることが増えてきました。

しかしアイドリングストップ車専用バッテリーの条件をすべて満たすアフターマーケットバッテリーがここNZでは手に入れづらいため、専用ではないけれど高性能なバッテリーで代用せざるおえない状況がしばらく続くと思われます。

クリアモータースではWOFやオイル交換で来店されている車両でも、バッテリーが古い感じがする、ターミナルに硫黄結晶が付着している、硫化水素の匂いがする、液漏れを起こしている、スターターモーターが弱々しいなど、バッテリーの劣化が疑われる車両はCCA測定や高負荷時の電圧低下測定によるバッテリー健康診断をしています。バッテリーに不安がある方はお申し付けください。